新年のごあいさつ (全教互会長 久保田柾博)

あけましておめでとうございます。
新年を迎え、全国の互助団体が益々発展し、組合員・会員の皆様方が健康で生きがいのある豊かな生活を送られますよう心から祈念いたします。


東京タワー、新幹線、東名・名神高速道路、三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、日米衛星通信放送などが一挙に花開いたこの高度成長期を象徴したのが東京オリンピック。戦後の混乱と貧困からGNP世界2番目の国へと国民が自信と誇りを取り戻した時代とも言われています。昨年、6年後2020年に東京で再びオリンピック開催されることとなり久しぶりに日本に活気らしきものが呼び起こされました。団塊の世代と言われる私にとっては半世紀前の1964(昭和39年)の東京オリンピックを思い出し一種気持ちの高まりを覚えてしまいます。しかし、この高度成長は必ずしも良かったことばかりではありません。何事にも効率とか経済性が求められ拝金主義が横行、共同体が崩壊、絆と呼ばれる連帯意識など日本のよさをも消してしまいました。その後のバブル崩壊は失われた20年となり、活気が消え閉塞感漂う日本となってしまいました。これを打ち破る変革の経済政策アベノミクスにはデフレ脱却が期待されています。
時間が流れている限り変わっていくことは避けられず、また一方変えなければならないことも出てきます。変える時には変えてはならないことをきちんと押さえたものでなければなりません。
会津藩の什の掟では「ならぬことはならぬものです」と締めくくられています。この言葉には「何がしてはいけないことなのか」と同じく「何をなさなければならないのか」が土台となっているはずです。
皆様方のお力により、互助団体も公益法人制度改革等への新たな段階へと踏み出すことができました。4月からは法人格を有さない団体等を除き62団体すべてが法人移行することとなり文字通り再出発を迎える年となります。これも時代から求められた変革の一つでしょうか。
助け合いや支え合いが薄れる今こそ私たちの互助会の存在意義が高まってきます。
これから将来の互助団体あり方について全教互のブレーンとも言うべき生活設計専門委員会委員、土田武史先生は鍵となることとして、①加入者の部分的(組合員・会員同士)連帯の維持・強化をどう図っていくか、②互助会員のモチベーションの向上にどう関わっていくか、③地域社会への連携・貢献の強化をどう図るか、の三つをあげられました。
変化が必然であれば「変えてはならないこと」の確認を忘れてはなりません。


今年も、各団体が先生方から頼られる組織であることを願い、そして頼りになる全教互となるため皆様のご理解とご協力をいただきながら役割を果たす所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。